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正しく使われていない「消毒・除菌グッズ」…意外なNG行為を専門家が解説(8/6 日刊SPA!掲載)

 消毒・除菌グッズが日常品としてすっかり定着した昨今。関連商品は数あるが、その正しい取り扱い方を把握できている人はまだまだ多くはない。そこで、業務用洗剤やアルコール製剤などを取り扱うセッツ株式会社の品質保証室室長である山野博継氏に、夏場には特に気をつけたい「消毒・除菌関連商品の注意点」について聞いた。

シートタイプと液体タイプ、夏場はどちらが除菌には有効?

セッツ株式会社の山野博継氏

 キャンプや花火、バーベキューなどアウトドアシーンが増える夏場は消毒・除菌グッズを持ち歩く人も増える。持ち歩きできる消毒・除菌グッズといえば、除菌剤がしみ込んだシートタイプと液体タイプが主流だが、外出先での使用については、果たしてどちらの方が有効なのだろうか。

「どちらも同じように十分に効果はありますが、夏場はボトルに入った液体タイプのほうがおすすめです。なぜかというと、シートタイプは表面積が大きく、空気に触れる面積が広くなるため、夏は水分が蒸発しやすくなります。車のダッシュボードや直射日光が当たるスペースなどに放置していると、『いざ使おう!』と思ったときには、乾燥していて使えない……という事態も頻繁に起こります」

 ちなみに液体タイプで手指を消毒・除菌する際は、だいたい1~3mL程度の量が有効だという。

「また、液体タイプの消毒・除菌剤で手が濡れた状態でほかの場所に触ると、効果が薄れてしまうこともあります。しっかり乾くまでの間は手に擦り込んで、ほかのものに触らない状態をキープすることが望ましいです」

乾燥したシートタイプは「再生」できない

 暑い夏場は、除菌シートが水分を失って乾燥してしまうケースも多々起こりえる。その場合、以前のようにシートを再生する方法はあるのだろうか。

「残念ながら、水分が蒸発してしまった場合、再生するのは難しいです。除菌シートは、アルコールや除菌剤などを配合しています。アルコールが蒸発してしまえば、そのバランスが崩れて、除菌効果は薄れてしまいます。仮に水などをかけて湿気を取り戻したとしても、もちろん元の状態に戻るわけではないので、シートは乾燥する前に使い切っていただくのが望ましいですね」(山野氏)

 未開封であっても、シートの水分が蒸発してしまうケースは十分にあり得るので注意が必要となる。

「『開封していなければ、いつまでも使えるだろう』と思われるかもしれませんが、揮発させない密閉容器に入れて光を徹底的に遮断するなど、厳重に保管しない限り、アルコールが揮発して品質も劣化してしまいます。また、揮発してアルコール濃度が薄れるとカビなどが発生する場合があります。乾燥したシートに別の除菌剤などを吹きかけて再利用される方もいらっしゃいますが、配合成分が混ざると効果が減少することもありますので注意が必要です」

消費期限切れの消毒・除菌グッズは廃棄する際にも要注意

除菌剤

 いざ期限切れの消毒・除菌グッズが大量に余ってしまった場合、シートタイプであれば普通に可燃ごみで捨てればよいが、液体タイプを廃棄する際は留意すべき点がある。

「消毒・除菌剤の中には殺菌成分が配合されている物もあるので、一気に台所や洗面所の洗い場などに流してしまうと、下水の浄化槽内の微生物を殺してしまう可能性もあります。ですので、廃棄する際は、水を流しながら少しずつ希釈して処理するのがいいですね。商品のパッケージなどに廃棄方法も書いている場合があるので、ぜひ参考にしてください」

手指用の除菌シートでパソコンやスマホを拭いてもいい?

 また、注意したいのが商品による用途の使い分けだ。手指用の除菌シートで、ついパソコンやスマホの画面などを拭いてしまうことがあるが、問題はないのか。

「手指用の除菌シートと、机や物、パソコンなどを拭く用の除菌シートでは、配合されている成分が違うことがあります。ですので、手指用の除菌シートとモノを拭く用の除菌シートは、一緒くたにせずに使い分けたほうが安心です。パソコンやスマホなどの樹脂部分はアルコール等に弱い材質のものも多いので、手指用の除菌シートで拭くと、表面のコーティングが剝がれたり、柔軟性がなくなったり、白くなったりと破損する危険性があります」

「おてふきシート」は手の汚れを拭き取るもの

おしぼり

 さらにコンビニや飲食店などで渡される「おてふきシート」もあるが、それ自体には消毒・除菌効果がないケースも多いとのこと。

「コンビニや飲食店などで渡されるおてふきシートは、あくまで手の汚れを拭き取るもので、消毒・除菌効果はないと考えたほうがいいと思います。手の汚れなどを拭き取った後、できれば別途、消毒・除菌剤などを使用したほうが安心ですね」

 まだまだ手放せない消毒・除菌グッズ。商品別の使い方から廃棄方法まで、きちんと押さえておく必要がある。

※当記事は日刊SPA!『正しく使われていない「消毒・除菌グッズ」…意外なNG行為を専門家が解説』からの引用となります。
https://nikkan-spa.jp/1848722